法人所得税 (CIT): 定義と最新の法改正

法人所得税は国家予算の重要な収入源の一つです。では、法人所得税とは何でしょうか？法人所得税はどのように計算し、確定するのでしょうか？法人所得税に関して、ベトナムの規定で何か変更はありましたか？以下の記事で、AGS と共に詳しく調べていきましょう。

1．法人所得税 (CIT)とは？

a.　法人所得税の定義と重要性

 法人所得税（Corporate Income Tax）は、事業体の課税対象となる所得に対して適用される直接税です。この税は、国家予算の構築、社会活動の維持、持続可能な発展を保証する上で極めて重要な役割を果たします。法的義務にとどまらず、法人所得税は企業の信頼性向上を支援し、健全な事業活動を促進するツールでもあります。法人所得税を正しく理解することで、企業は規定を遵守し違反を回避しつつ、税優遇政策の機会を最大限に活用できます。

b.　法人所得税に関連する基本用語

• 課税ベース (Tax Base): 法的に認められた控除後の企業の課税所得の総額。
• 課税所得: 企業が主な事業活動、金融投資、またはその他の収益から得た利益を含む。
• 税控除 (Tax Deduction): 納付税額を減らすために適用可能な控除額。
• 税率：法人税率は現在、20%と25%～50%の2種類となっている。

c.　法人所得税の計算式

基本的に、法人所得税は以下の計算式で算出されます。

納税額 = 課税所得 × 税率

ただし、企業の特徴によっては、独自の法人所得税計算式が適用される場合もあります

d.　ベトナム法人所得税の対象者

法人所得税を納税しなければならない主体は、課税所得を伴う物品およびサービスの生産・取引を行う組織です。これには以下の主体が含まれます。

• 株式会社、有限会社、合名会社、個人事業主；
• 法律事務所、公証役場（私設の公証人事務所）；
• 事業協力契約の各当事者；
• 石油製品分与契約の各当事者、石油・ガス合弁事業；
• 共同操業会社、課税所得のある財・サービスを生産・販売する公的・非公的事業体；
• 協同組合法に基づき設立・運営される組織；
• ベトナムに恒久的施設を有する外国法令に基づき設立された企業；
• 外国企業の恒久的施設であって、当該施設を通じて当該外国企業がベトナムにおいて生産・事業活動の一部または全部を行う生産・事業施設。

2．法人所得税（CIT）に関する最新の法改正

2025年6月14日、国会により（同年10月1日から施行される）改正法人所得税法は正式に可決されました。同法では、多くの重要な内容が明確化されています。現在、改正法人所得税法はまだ施行されておりませんので、改正法人所得税法案を参照し、以下の変更点をまとめました。

• 法人所得税の対象範囲を広げる

ベトナムで商品やサービスを提供する際電子商取引およびデジタルプラットフォーム事業を行う外国企業が課税対象者となります。

• 法人所得税の優遇対象となる業種が拡大される

科学技術の応用、イノベーション分野の企業；中小企業支援施設の投資・事業に関連する業種等；ジャーナリズム活動に関する業種等は法人所得税の優遇税制対象に追加されました。

• 企業向けには、15%および17%を含む複数の優遇税率が定められている。

• 免除・減税に対する規制強化

    法人所得税は企業のすべての事業活動に直接影響を与える重要な税金の一つです。同時に、国家経済の安定を維持する上で重要な役割をもっています。法人所得税を正しく理解することは法的リスクを回避するだけでなく、税優遇政策の機会を最大限に活用できます。そのため、法人所得税関連の法的文書の変化を注意深く追跡し、タイムリーに対応していく必要があります。