2014年12月22日に財務省はCircular 200/2014/TT-BTC(以下Circular200)を公布しています。Circular 200は2015年1月1日から適用されます。
1.期中の外貨建取引の換算レート
通達200の69条によると、以下のように、全ての期中の外貨建取引において「実際の為替レート」を適用することが規定されています。
改正前 (通達179/2012/TT-BTC) | 改正後 (通達200の69条) | |||
当初認識時 | 明確な規定がない | 1 | 外貨を売買する場合 | 企業と商業銀行との取引契約に記載されたレート |
2 | 資本金を拠出する場合 | 企業が投資家から資本金を受け取る銀行の取引日(資本金拠出日)の「買いレート」 | ||
決済時 | 商用銀行の取引日における「売りレート」 | 3 | 債権を認識する場合 | 企業が代金を受け取る銀行の取引日における「買いレート」 |
4 | 債務を認識する場合 | 企業が代金を支払う銀行の取引日における「売りレート」 |
2.期末の外貨建貨幣性資産負債の換算レート
通達200の69条によると、外貨建貨幣性資産(*)について、以下に掲げる「実際の為替レート」で期末日に換算することが規定さています。
改正前 (通達179/2012/TT-BTC) | 改正後 (通達200の69条) | ||
商用銀行の期末日における「売りレート」 | 1 | 外貨建貨幣性資産 | 企業が通常取引を行う銀行の期末日における「買いレート」 |
2 | 外貨建貨幣性負債 | 企業が通常取引を行う銀行の期末日における「売りレート」 |
(*)前渡金、前受金、前払費用(47条1項dd)、未収収益等の非貨幣項目、当該換算の対象外となると考える。
3.法人所得税および付加価値税上の取扱い
通達200の69条の1項において、税務債務を確定する場合、企業は、税務に関する法令に準拠しなければいけないと規定されています。しかし、税務管理法の詳細ガイダンスである通達26/2015/TT-TBC(2条4項)では、「外貨の売上、費用、課税標準は、通達200で規定される為替レートにてベトナムドンに換算する」と規定しています。よって、会計とCIT・VATでの相違がなく、税務債務を確定する際に税務調整の必要がありません。