国家監査におけるAIの試験的な活用

2.2. AIの試験的な活用を実施する監査主幹部門の権限

‐　年度監査計画の策定およびAIの試験的な活用が見込まれる各監査の実施において、情報技術局に対し、説明、協議、支援を求めることができます。
‐　AIの活用が見込まれる監査テーマおよび監査内容に関する結果予測について、定められた期限内に情報技術局に迅速な提供を求めることができます。
‐　監査の過程においてAIの活用が必要とされる監査内容が発生した場合、情報技術局に対して適切なAI活用の研究・開発を指示するよう、総監査官に速やかに提案するものとします。

3. 監査業務にけるAIの試験的な活用を連携して、実施する情報技術局の責任・権限はどうなっているのか

2025年の決定675/QD-KTNに基づき公布された規程の第6条により、監査業務におけるAIの試験的な活用の実施に関して情報技術局の責任及び権限を以下のとおり定められています。

3.1.責任

• 国家監査の監査業務におけるAIの活用を研究・構築・試験および開発解決法の提示を行います。
• 監査計画を立てる際、AIの活用に関して国家監査院に助言するため、各監査委員会と連携します。
• 承認された監査計画に基づいて監査の進捗を確保するため、AIを試験的に活用する監査において、主幹部門と迅速かつ密接に連携します。AIが生成した情報や結果に関して問題が発生した場合には、主幹部門を迅速かつ十分に支援します。
• AIの活用を実施する各部門に対して迅速な支援を行うため、ホットラインやオンラインフォーラムを設置します。必要に応じて、AIを活用する監査内容に関して現地監査に参加し、担当者を指名します。
• AI活用の展開過程において、各部門からの要請を把握・受理・処理・集約し、国家監査院に定期的または随時報告します。あわせて、AIの活用効果を評価し、その結果に基づきソリューションを提案します。
• 効率性・安定性・継続性・安全性および情報セキュリティの制定を確保するために、AIの活用を運用・管理します。
• 監査テーマや監査内容に関するAIの予測結果の正確性について、国家監査院に対して責任を負います。

3.2. 権限

• 監査計画において選定された監査テーマや内容に関して、AIの試験的活用を行う際、主幹部門に専門的支援や監査業務の提供を求めることができます。
• 承認されたAI活用の実施に際し、主幹部門に対して、該当業務ごとに必要な入力データの収集および提供を求めることができます。
• AIによって予測された監査発見に関して、主幹部門に対し速やかに意見を求めることができます。期限内に意見が提出されない場合には、国家監査院に報告し、対応または指示を要請することができます。

以上のとおり、決定675/QĐ-KTNNに基づく監査過程におけるAIの試験的な活用を実施する時、監査主幹部門および情報技術局は決定の責任・権限を厳守に行う必要があります。今後、試験の結果に基づく将来的にAIが活用されることが期待されます。